ひょうていがくえん ゆりぐみ

おおとりちょうたろ


ぼくは、ししゃもがだいすきです。

おとーさんもおかーさんもおねーちゃんもだいすきです。

でもいちばんだいすきなのは・・・・・



















すきになったら一直線




















○月×日

今日はちゃんに3回会った

1回目はゲタ箱で『チョタくんおはよ。』って言われた。
(笑顔がすごくキラキラしてた!!)

2回目はいどう教室の時、目が合ったら手をふり返してくれた。
(でもどうして両トナリにあとべさんとジローさんがいるんですか!)

3回目は昼休みかばじがあとべさんに用事があって5年生の教室に行くと言うので付いていった。
ちゃんはあとべさんとジローさんとお昼食べてた・・・ぼくも一緒に食べたいな)


でも今日は3回もちゃんに会えた。
昨日は1回しか会えなくてさみしくて泣きそうだったから嬉しい。

でもやっぱりあとべさんとジローさんは幼なじみだからってくっつきすぎだ!











○月×日

やっと中等部に上がれた、これでさんと同じ校舎だ。

さんが同じ校舎に居ない1年は地獄の様だった。

跡部さんやジローさんがさんに手を出してないかと毎日心配で

週に1度はさんがマネージャーをしているテニス部を覗きに行っていた。

さんのジャージ姿は凄く可愛かった。
(ジャージの袖を伸ばして手袋代わりにしている所なんかもうたまらない!)

見つかって「初等部のチョタくんはまだ入っちゃ駄目だよ。」とさんに何度も怒られたけど。

でも今日からは堂々とさんと会う事が出来る!












○月×日

前から思っていたけど

跡部さんやジローさんは幼馴染と言う事を利用して

毎日さんにベタベタしすぎだと思う。

それに付け加え他レギュラーもだ。

忍足さんについてはセクハラの域に入ってると思う。

ので、今日からさんに触った人間は全てスカッドサーブをお見舞いしようと思う。

まさか保健室にまでさんを連れて行きませんよね。
































と、こんにちはです。

只今友達以上恋人未満という曖昧な位置づけの可愛い後輩の部屋で凄い日記を発見してしまいました。

なんだかとても見てはいけないものを見た気分です。

とりあえずこの日記を書いたと思われる本人はまだトイレから帰ってこないので

見なかった事にしておくべきでしょうか?








『よし、無かった事にしよう。』





「何をですか?」




『!!!!!!!』









まるで気配を感じなかった。

そんな所からぽんと肩を叩かれれば

リストラ宣告を受けた中年おじさんの気持ち凄く分かります。

汗が一瞬で凍るって本当だね・・









「あーーーそれ見ちゃったんですか?」








とチョタ君は困ったなぁという顔をしてるけど

これ、いかにも見てくださいと言わんばかりにテーブルに広げられてたんですけど!

隠しているものだったら少なくともページは閉じるよね!!







『ご!ごめんね!日記とは分からなくてっそのっ・・』







「なら・・もう俺の気持ち分かってますよね?」









焦る私に声色を変えて問う

チョタ君の気持ち。

もちろん、鈍い鈍いと今まで散々言われている私だけど。

さすがにあんな日記見せられたらチョタ君の気持ちが分かりませんとは言えない。

で、でもそんな質問されて私なんて答えればいいんですか・・・







『ぇ・・・・あ、・・えと』







「幼稚舎の頃からあれだけアプローチしてたのに、俺の気持ち知らなかったのは貴方だけですよ?」









にっこりと笑う姿は小さい頃からいつも見ていた可愛い可愛いチョタくんそのものなんだけど。

どうしてもこの日記を見た後では胡散臭く見えます。

最近怪我人が多いのは君のせいだったんだね・・

ど、どうしよう。この日記を見るまではチョタ君と付き合えたらいいなぁとか思ってたけど。

もしかしたらとんでもない子なのかも・・



とにかく今日は逃げよう。そうだ逃げるが勝ちだ!








『ぁーーのえっと、そろそろ帰ろうか・・』








「逃がしませんよ。さん」










ガシリッと腕を捕まえられて。

もちろん表情は笑顔のまま。

い、いままで私の前では猫かぶってたのね!!

そうだ・・昔「一番曲者なのは鳳」って跡部が言ってたな・・

あの時はまっさかぁ!なんて思ってたけど。

あれは跡部なりの忠告だったんだぁ・・・















「俺、さん以外を好きになるなんて絶対無いですから。」












初恋は実らないなんて俺は絶対嫌なんです。

なんて耳元で囁かれたら。

もう逃げ道なんて絶対無い気がする。