触れた指先がくすぐったくて、そしてなんだか恥ずかしくて。私は慌てて手を引っ込めた。
肌と肌が触れただけでドキドキしちゃうなんて、心臓が何個・・・いや何十個あっても足りない。
そんなことを考えながら、私はあなたの隣りを独り占め。今まで一番の幸せ。
まさかこんな日が来るなんて思ってもいなかったから。両思いになれた今が本当にタカラモノ。
「どうしたの、?さっきから黙り込んじゃって・・・具合でも悪い?」
「えっ・・・別に、大丈夫だよっ・・・ちょっと考えごとを・・・・・・」
「あはは、それなら良かったよ・・・にはいつも元気でいてもらいたいからね」
そんなこと言って、また私の心臓を爆発させるのね。なんて思いながら。
私は今日もあなたの隣りを歩く。此処は誰にも譲れない、私の大切な居場所。
見上げれば大好きなあなたの顔があって、その距離はちょっと遠いけど。
その距離が一気に縮まったときが、すごくすごくドキドキして、たまらなかったりする。
それにそのあなたの大きな腕に包まれる瞬間もすごく好き。
あなたから伝わってくる暖かい体温が私の身体を温めて、さらに恋をさせる。
「俺はね、照れたときのが一番好きかな・・・可愛いし」
「私はね・・・こうやって抱きしめられてるときが一番好きだし、幸せ」
「俺もだよ・・・・・・と一緒にいれるだけで幸せ」
私はあなたの背中に手をまわし、あなたの胸に顔をうずめた。
聞こえてくる、長太郎の心臓の音。胸の立てる音が私の恋心をくすぐる。
そしてあなたが腕の力を強めれば、それはいつものキスの合図。
近づいてくるあなたの顔。この距離が徐々に縮まる瞬間こそ、私が一番好きな瞬間。
だけどね、恥ずかしいから長太郎には言ってやらないんだ。
「格好良すぎて、どうしたらいいか本当に困る・・・・・・・・・」
「え?いまなんか言った?」
「聞こえてるくせに・・・・・・そうでしょ?」
「あはは、俺はが可愛すぎてどうしたらいいか本当に困ってる」
「照れるからやめてよ・・・恥ずかしいな・・・・・・」
そしてあなたから触れてきた手をしっかりと握って、夕方の土手をふたりで歩いた。
いつまでもずっとずーっと一緒にいられる未来を夢見ながら。
私はあなたに肩を寄せ、繋いだ手をさらに強く、そして今日もあなたに恋をする。
いつだって恋する乙女
〜 written by 関エリ子
長太郎が大好きなのでこのような企画は楽しかったです。えびび丸様ありがとうございました。